ひな人形と女の子

お雛様は女の子の一生の宝物

♪あかりをつけましょ雪洞に お花をあげましょ桃の花・・・♪ と歌い
女の子の雛節句の行事は華やかで楽しいものです。

おひなさまの人形を飾り、菱餅・草餅・ひなあられをお供えし、春のお寿司や蛤のお吸い物を家族でいただく団らんは、楽しい節句の行事です。
小さなお子達の心を豊かに育みます。

人形作家の手掛ける人形は、お顔の中でも特に目の線の入れ方に心を配ります。
切れ長の目、ふくよかなお顔立ちは平安時代の美人顔でしょうか。
作家によってお顔の表現は様々です。

衣裳の色彩や織柄も古典的なシックなものが、お子様の身近で一生大事されるものとしてふさわしいでしょう。
できれば、お手に取ってしっかりとお品選びをしていただきたいと思います。

ひな祭り・ひな人形の起源

ひな祭りの起源の一つは、古代中国で行われていた「上巳の節句」という水辺で身を清め災厄を祓う行事です。これが日本に伝わり、草木や紙で人の形を作ったもので厄を祓う風習ができたと言われています。また、平安時代には貴族の子女が紙や布で作った人形で遊ぶ「ひいな遊び」というものがありました。こうした文化が現在のひな祭り、桃の節句のもとになったと考えられています。

出雲流、桃の節句の祝い方

ひな祭りのケーキ

ここ出雲地方では、ひな祭りを旧暦で祝う風習が残っています。今の暦でいう4月3日頃なので、この時期に初めて出雲を訪れた人は、訪問先の家でひな人形を見つけて不思議に思うようですね。「もう4月なのに、まだおひなさまが飾ってあるなんて」と。

また、女の子が無事に成長することを願って「ひな餅」というカラフルなお菓子を作るのも出雲ならでは(松江では「花もち」と呼びます)の風習です。生地を練って餡を包み、専用の型に入れて蒸して作られますが、ピンクや黄色など色を付けた生地を使うので、彩がとてもきれいな和菓子です。

ひな人形のつくりの種類

木目込み人形

ご家庭で飾られるひな人形のつくりには、衣装着人形と木目込人形の二つがあります。

衣装着人形は、藁で作った芯に着物を重ねて作るお人形のことです。こちらは十二単などを着た豪華なお人形が多く、お顔立ちは大人っぽい印象。
木目込人形は、木彫りや型取りした人形を削って溝を作り、張り付けた布を溝に埋め込んで作られたもの。比較的小さくて愛らしいお顔立ちのお人形が多いです。

お人形のお顔だちや衣装は作家さんの個性が最も発揮されるところなので、ぜひ間近で現物をじっくりとご覧いただいたうえで、お好みのものを見つけてください。

ひな人形の飾り方の種類

ひな人形の種類と飾り付け

飾り方の種類については、お雛様とお内裏様だけの「親王飾り」、三人官女が加わった「二段飾り」「三段飾り」、五人囃子と随臣、仕丁がそろった最も豪華な「七段飾り」があります。

可愛いお孫さん(お子さん)のために、より豪華なひな人形を!というお考えの方もいらっしゃいますし、住居の広さやライフスタイルに合わせて、季節を楽しむオブジェのような感覚で小さめのものをお選びになる方もおられます。
大きなものはそれなりの収納スペースも必要になりますので、贈る相手の住まいの事情に合わせて検討しましょう。

ご来店前のチェック項目

  • お飾りする場所を決めましょう一戸建てor マンション・アパート、和室の有無などによって、飾る場所と選ぶ人形の種類が変わってきます。
  • お飾りする場所のサイズを測りましょう(幅・奥行・高さ)せっかく良いものを贈っても、サイズが合わず飾ってもらえないことを防ぐために、事前の採寸は重要です。
  • 妹さん(長子以外)のお人形選びは、お姉さんのお人形のサイズ・色・形をチェックお姉ちゃんの方が豪華だった、といって妹さんが悲しむことがないよう、上のお子さんのお人形がどんなものだったかを確認しておくことをおすすめします。

お内裏様とお雛様、どちらが右?

お内裏様とお雛様

よくあるご質問に、お内裏様とお雛様の左右の位置で、正しいのはどちらが右でどちらが左?という疑問があります。
実はこれについては、答えはひとつではありません。

東京式では、殿(お内裏様)が向かって左になります。
元号が令和になったときの、皇居での即位式を覚えていらっしゃいますか?この時天皇陛下は右の高御座に、雅子皇后は天皇陛下の左の御帳台に立っていらっしゃいました。

京都式は殿が向かって右です。
中国の唐の都にならって、君子南面し左が上位とされました。左が上位、ということは、向っては右となります。

ですので、当ギャラリーでは作家さんの文化圏で展示を決めています。
関東にお住まいの作家さんの作品は殿を向って左に。
関西にお住まいの作家さんの作品や、古典を意識されている作家作品は殿を向って右に展示しています。
絶対左右を間違えてはいけない、ということはありませんが、気になる方はギャラリーの展示をご参考になさってください。

ひな人形はいつからいつまで飾る?

ひな人形の飾り付け

ひな人形は、いつ飾っていつ片付けるかという決まりはありませんが、立春またはまた二十四節気の雨水の日に飾り始めるのがよいとされています。
一説によると「節句が終わったら早く片付けないと、嫁に行き遅れる」などと言われることもありますが、これは迷信です。とは言っても、季節の行事なので時期が過ぎたら早目に片づけたほうが良いでしょう。湿気がこもらないよう、晴れた日に片付けてください。

最近のおひなさま事情

ひな人形

現代はマンション・アパート住まいの方も多くいらっしゃいますから、親王飾りや二段、三段飾りの需要が増えています。
部屋が狭く収納もあまりないという方におすすめなのは、ケース飾りや収納飾りといったコンパクト、かつ収納のことも考えて作られたタイプのものです。

ケース飾りは、ガラスやアクリルケースの中にお人形と装飾が固定されたもので、掃除も出し入れも簡単にできますし、人形がホコリを被らない分、お手入れが楽になります。
収納飾りは飾り台が収納箱になります。収納する手間は少しかかりますが、コンパクトに収納できるというメリットがあります。

 

ひな人形の豆知識、いかがだったでしょうか。
ギャラリーでは毎年新年1月から、ひな人形作家展を開催しております。
伝統の技法を用いた古典的なお雛さまから現代的なセンスのお雛さままで、幅広くご紹介いたします。

今やインターネットでなんでも手軽に買える時代になりました。
ひな人形もネット通販でも買えますし、大型店に行けば豊富なラインナップの中から選ぶこともできます。大々的な広告を展開し、ひな人形を買っただけでたくさんのおまけのプレゼントが付いてくるケースもあるでしょう。

当ギャラリーではそのような派手な宣伝は行っておりませんが、ご紹介するひな人形は、大量生産ではなく、人形作家がひとつひとつ丁寧に仕上げた作品ばかりです。
お子様の健やかな成長を願って、確かな品質の、この世にひとつだけの運命のお人形をお選びになりたい方はぜひ、ギャラリーへ足をお運びください。